1.『あなたのための物語』長谷 敏司
2.『カオスの紡ぐ夢の中で』金子 邦彦
3.『私とは何か--「個人」から「分人」へ--』平野 啓一郎
4.『嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え』岸見 一郎, 古賀 史健
2015年1月27日火曜日
「勉強しなければいけない範囲について」
生きる時間は短い。何か大きなことを成し遂げようとするためにはあまりに短い。
学問、知識、文化は、概念を積み重ねていくことで発展していく、という意味において、その原義から多層的で、総論、各論を持つ。
知識を得たい、得続けたいという欲求、全知全能であることを希求する、という欲は真っ当なものであるとしても、果たしてその願いは叶うのだろうか。
私はそうありたいと思っていた。欲が強かった。全ての知識を得たいと、全ての能力を得たいと、本気で思い、アタマでは、「大人になるということは可能性を捨てること」というドグマを理解しながらも、なるべくならその可能性を潰さない方向に、勿体ぶって、生きてきた。
しかしながら、根本的な自分の能力や、現実的に割くことのできる時間のことを冷静に考えるようになって、その意識に変化が訪れていることを感じる。
歴史について描く小説家が、歴史家と同じだけの知識量と密度を持っている必要があるだろうか。高度に抽象化された計算機の技術において、現代のアプリケーションエンジニアが、メモリレジスタとCPUの間で行われるエンディアンのやりとりについて理解している必要があるだろうか。
知識の広がりは、際限がない。物事の因果、意味的繋がりに重きを置き続ければ、対象となるものからいくらでもその存在の意味について遡ることができる。
知識を得ること、それ自体は面白い。学べば学ぶほどに、「もっと学ばねば」という思いに駆られる。
一方で、知識をインプットすることそれ自体には、他者の点からの観測においてはなんの意味もなさない。得た知識から、何が出てくるのか。なにに貢献したのか、ということにやはり意味がある。
まだ始めたばかりで、とても実践できているか怪しいものであるが、そこで僕は最近、「どこまで勉強しなければいけないのか」ということを、今まで以上に意識的に考えるようにした。
まずはじめに、総論的な視点から、その分野における各論的な学問、知識体系の連関をアタマに描く。そして、勉強すべき範囲を、”解決したい問題に対して最も貢献度が高くなるように”設定する。より具体的には、対象になっている問題が関連する層と同じ層にある別の問題に対して、対象の問題の層より一つ上の層の対象問題を俯瞰できる視点、対象の問題の層にある問題を構成するより低次元の層について関連する問題を2~3個。ぐらいをアタマに叩きこんで行けばいいのではないかと思う。
学問の道に戻ること、よりエンジニアとして質の高い仕事をしていきたい、という欲求を考えたときに、自分の器質に従ってなんでもかんでも面白そうな知識に頭を突っ込むのは、効率が悪い。
どこまで実践できるのかどうかはさておき、自分が学ぶべき範囲、という観点に自覚的になり、知識吸収の範囲をメタ的に線を引いて、優先順位をきちんと設けていくことが必要だな、と考える最近である。
2015年1月21日水曜日
「メディア_アート_アクティビズム | 現代主義の現場から」
「メディア_アート_アクティビズム | 現代主義の現場から」
というシンポジウムに行ってきました。
東京芸術大学の人材育成プログラムの一貫として行われた講演会で、
登壇者は清恵子さん、という、東欧、ドイツ、東南アジアを中心に活動しているキュレータ、メディアアクティビスト(要は革命家みたいなもん?)でした。
東欧の共産主義/全体主義下におけるアーティスト、メディアがどのように活動してきたか、というのをその作品を鑑賞、参照しながら当時の話を振り返る、というような内容で、あまり体系だったものではありませんでした。
個人的には全く考えたことが無い領域だったので、なかなかに知識的面白さはありましたが、自身があまり最近政治的な内容について考えがいかないこと、話が長かったり自分がお腹いたくなったりで、まぁまぁ、という印象。
とは言え、語られた事実(本人が実際に革命の現場を経験してきた)のraw感、見せられる映像のある種のショッキングな感覚、世界史情勢、昨今のデモとの連関など、波及的に考えることは多そうでした。
あ、あと個人的には東欧がらみで、東欧のアニメが良い&おもしろいことは昔から知ってたんだけど、
こんな展示をやってたことを後から知り、後悔しました。
参考リンク
Keiko Sei
geidaiRAM 今日の主催者
「リサーチ型アートプロジェクトのための人材育成事業」らしいです
冒頭Video Infermental
香港デモ→ファイアチャット
FireChat
spartakiad
チェコスロバキアのマスゲーム。この映像は中々ショッキングかつ面白い。
プラハの春
ビロード革命/ベルベット革命
友人の facebookへの投稿が面白かったので、要点のみ借用。
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パリの銃撃事件に関して書いている人は結構いるけど、中でも目に留まったものいくつか。日本人が書いた日本語のものばかりですが。
言ってしまえばテロなんて毎月のように起こってるにも関わらずこの事件の波紋が大きく伝わるところに、物を書く人たちの当事者意識を嗅ぎ取ることは可能でしょう。
ただ、論点の設定は人それぞれで、私がこうしていろんなものを読もうとしてしまうのもそのせいかと思います。
言ってしまえばテロなんて毎月のように起こってるにも関わらずこの事件の波紋が大きく伝わるところに、物を書く人たちの当事者意識を嗅ぎ取ることは可能でしょう。
ただ、論点の設定は人それぞれで、私がこうしていろんなものを読もうとしてしまうのもそのせいかと思います。
パリ銃撃、殺された風刺漫画家たちの知られざる日本との交流が明らかに
http://www.huffingtonpost.jp/ju…/caricaturist_b_6440858.html
交流の合ったジャーナリストへのインタビュー。
http://www.huffingtonpost.jp/ju…/caricaturist_b_6440858.html
交流の合ったジャーナリストへのインタビュー。
「許す」と「赦す」 ―― 「シャルリー・エブド」誌が示す文化翻訳の問題
http://synodos.jp/international/12340
事件後に(ある意味では懲りずに)出したシャルリー・エブド最新号の表紙を解題している。これは面白い。
でもやっぱりこんなにハイコンテクストなものの意図をみんな深く洞察できるのかという疑問は浮かぶ。
http://synodos.jp/international/12340
事件後に(ある意味では懲りずに)出したシャルリー・エブド最新号の表紙を解題している。これは面白い。
でもやっぱりこんなにハイコンテクストなものの意図をみんな深く洞察できるのかという疑問は浮かぶ。
フランスの新聞社 シャルリー・エブド襲撃事件について
http://blog.goo.ne.jp/ii…/e/0d68f604177d2bdeb387e20a5dc9afb0
パリ在住の人の事件を受けてのブログ記事で、住んでる人の感じた空気と在住してきて考えてきたことが照らしあわせて書かれている。
http://blog.goo.ne.jp/ii…/e/0d68f604177d2bdeb387e20a5dc9afb0
パリ在住の人の事件を受けてのブログ記事で、住んでる人の感じた空気と在住してきて考えてきたことが照らしあわせて書かれている。
これはテロでなく集団殺人事件だ Parisシャルリ・エブド襲撃事件を斬る-藤原敏史・監督
http://www.france10.tv/international/4581/
風刺漫画の意図はそれなりに汲みつつも、受容のされ方や事件を受けての社会の動きには批判的。
http://www.france10.tv/international/4581/
風刺漫画の意図はそれなりに汲みつつも、受容のされ方や事件を受けての社会の動きには批判的。
嫌イスラームの再燃を恐れるイスラーム世界
http://www.newsweekjapan.jp/column/sakai/2015/…/post-901.php
案外と少ない「イスラム教徒の立場としてはどうなん?」という話に触れた記事。最近のトピックの羅列となっていて論旨はそれほど明確でない。
http://www.newsweekjapan.jp/column/sakai/2015/…/post-901.php
案外と少ない「イスラム教徒の立場としてはどうなん?」という話に触れた記事。最近のトピックの羅列となっていて論旨はそれほど明確でない。
仏風刺芸人、検察当局が捜査対象に=「俺はクリバリ」とネットに書き込み
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201501%2F2015011300051
ああこういう人もいるのね、という感じ。
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201501%2F2015011300051
ああこういう人もいるのね、という感じ。
「風刺の精神」とは何か?~パリ銃撃事件を考える
http://www.labornetjp.org/news/2015/0115kikuti
これまで掲載されてきた漫画の変遷を辿ったあとで「言うたかてイエローペーパーの類やん」という身も蓋もない批判をしている。
http://www.labornetjp.org/news/2015/0115kikuti
これまで掲載されてきた漫画の変遷を辿ったあとで「言うたかてイエローペーパーの類やん」という身も蓋もない批判をしている。
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